宝珠庵トップページ > リンク > 福岡正信師について


福岡正信師について

ヒゲの哲人

大正2年愛媛県生まれ、平成20年没、95歳。
「自然農法」の創始者であり、かつ実践的哲学者、求道者。

師は自然農法の創始者として世界的に著名な方であり、その点は改めて紹介するまでもないが、
同時に注目すべきは師の”哲学者”としての側面である。
しかし哲学のための哲学を研究する学研的哲学者とは全く違って、自己の哲学的確信を証明する
ための手段として生涯を掛けて自然農法を開拓して来たのが師である。

師は自らの著書で述べておられるように、青年期のある時期に一種の”天啓”を得たとのことです。
天啓と聞くと科学的合理主義のドグマに浸っている現代人には何か絵空事のように感じられる。
しかし人類史上にはそういった天啓を得た人物は多数出現しているのであろうし、
その内の幾人かは偉大な宗教的指導者となって歴史に名を留めてもいる。

師の場合もそのご著書を拝読すればすぐ分かるが、その視点が我々俗人とは根本的に異なる。
計り知れない深遠な世界観とゆるぎない確信には驚嘆の他はない。
”天啓”を機に俗界から覚界へと移り住んだ稀有な人であったのだと思う。
哲学者と言うよりはむしろ”覚者”であったと言って良いのであろう。

師のご著書の中でも特に痛快なのは「無‐U 無の哲学」と題された本である。
「哲学者の哲学書を見たときの怒り」が自分にこの本を書かせた動機であると師は述べている。
「哲学書は人間を懐疑の世界に導き昏迷に陥れてはくれるが、真理が何であるか、
人間はどう変わるべきかの結論を探すには何の役にも立たないのではないか」と師は感じたのである。

自身の哲学的世界観を述べたこの本の中で師は「独断である」と断りつつも、近世の幾多の
著名な哲学者をことごとく批判してその誤りを明快に指摘している。
特に現代科学文明発展の重要な思想的支えとなった近世西洋哲学者の世界観については
その全てを否定しつつ、否定の根拠を具体的に述べている。
当然であるがこの様な哲学的否定は「現代科学文明の全面否定」でもある。

師が肯定しているのはソクラテス、老子、キリスト、釈迦、達磨等である。
師の評価基準はそれらの人たちが果して”覚者”であったか否か、つまり「真理把握」を尺度としている。

本の著述に師を駆り立てたものは真理を人に伝えることへの「責務感」である。
師の眼には人智の不可知性と現代文明の崩壊危機とが避け得ないものとして捉えられている。
無駄であるとは知りつつも、警鐘を鳴らすことが自分の責務であると感じて師は本を書いたのである。
それは師の良心の叫びであり、魂の言霊である。

それにしても・・・、やはりその警鐘は無駄になるのであろうか・・・。
本が出てから25年、世の中は益々喧噪さを増し、師の警鐘などどこ吹く風であるが、その裏では
科学文明によって引き起こされる自然環境の破壊がじわじわとしかも確実に進行しているのである。



注) 福岡師の世界観に対してご意見をお持ちの方はぜひお聞かせ下さい。(店主敬白)




トップページ | 上に戻る | 商品案内へ | メールフォームへ

Copyright (C) 2009 houjuan. All Rights Reserved.
サイト内の画像、文章、素材等の無断使用を禁じます。




inserted by FC2 system